百円玉とチョコレートの想い出
私には同居の祖母がいました。
祖母に100円をおねだりして、ひとりで近所の駄菓子屋へ行ってお菓子を買うのが楽しみで、いつも10〜50円のお菓子を組み合わせてちょうど使い切っていました(当時はまだ消費税はありません)。
私にはいつも気になっているものがありました。
それは200円の大きな板チョコレートで、100円以上を持たない私には買えないものでした。
ある日、いつものように祖母におねだりして手に入れた100円玉をその日は使いませんでした。祖母には駄菓子屋にいったふりをしました。
次の日も祖母から100円をもらい、合わせて200円。いつも気になっていた板チョコレートを買いに行きました。
罪悪感がいっぱいで、誰にも見つからないようにこっそり食べました。でも子供の私には大きすぎるチョコレート。食べきれなくて困っているところを母親に見つかり、こってりと叱られてしまいました。
なぜか分かりませんが、この体験が私の経済感覚の下地になっている気がして忘れられないエピソードなのです。